予防接種、ワクチンについて(新型コロナワクチン以外について)
耳鼻咽喉科領域に係る下記のワクチン接種を取り扱います。
- インフルエンザワクチン(小児・成人)
- 高齢者肺炎球菌ワクチン
- おたふくかぜワクチン(小児・成人)
- 水痘・帯状疱疹ワクチン(50歳以上)
- 男性HPV(ヒトパピローマウイルス)ワクチン
ワクチン接種希望の方は受付にお電話でお問い合わせ下さい。(インフルエンザワクチン以外は随時取り寄せになります)
ワクチンの接種間隔について
- 令和2年から異なる種類のワクチンの接種間隔のルールが変更されています。
注射生ワクチンのみ(麻しん風しん混合ワクチン・水痘生ワクチン・BCGワクチン・おたふくかぜワクチンなど)接種間隔が28日以上必要で、それ以外のものについては接種間隔に制限はありません。
最初のワクチンで発熱、腫れ、体調不良などがあればそれらの症状が治まってから次のワクチン接種をうけてください。インフルエンザワクチン、新型コロナワクチンの同日接種も可とされています。
インフルエンザワクチン
- 詳細は別途お知らせ欄等でご案内しますが、例年10月ごろから1月までの間で接種を行います。武蔵野市民で高齢者(65歳以上)または60歳から65歳未満の方で心臓、腎臓、呼吸器、免疫などの障害を有する方(身体障害者手帳1級程度)には公費助成があります(一部自己負担あり)。
高齢者肺炎球菌ワクチン
- 23価肺炎球菌ワクチン(ニューモバックスNP)を接種します。成人の肺炎のうち1/4~1/3は肺炎球菌が原因と考えられております。肺炎球菌には90種類以上の血清型がありますが、ワクチンで予防できる23種類は肺炎球菌感染症の6-7割を占めております。基本的には65歳時に行いますが、生涯に一度の接種です。対象者(詳細はこちらをご覧ください)には市から予診票が送られてきます。自己負担額は2,500円です。過去に23価肺炎球菌ワクチンの接種を行った方は市の助成の対象外です。
- 令和6年度は66歳以上、過去に1度も23価肺炎球菌ワクチンの接種したことのない武蔵野市民に対しても接種費用の助成があります(上記65歳の対象者とは異なる支払い方法になります)。自己負担額6,000円(生活保護受給者は1,000円)です。
おたふくかぜ生ワクチン
- おたふく風邪はムンプスウイルスの飛沫感染や接触感染によって引き起こされる疾患です。耳の下の耳下腺が一側または両側腫れて、発熱を伴うことがあります。この他頭痛、吐き気、難聴、不妊(精巣炎、卵巣炎)を引き起こすことがあります。ムンプスウイルスによる難聴は治療がほとんど効かず、高度の難聴が後遺症として残るため予防接種が極めて重要です。小児期であれば1歳で1回目、2回目を小学校入学前の1年間に接種することが推奨されています。成人は2回のワクチン接種を行ってない方、おたふくかぜに罹ったことが無い方が対象です。1回目の接種の後、28日以上間隔を空けてから2回目の接種を行います。ワクチン接種後の無菌性髄膜炎(むきんせいずいまくえん)の頻度は0.03-0.06%と非常に稀です。
- 小児の接種には1回市の助成があり、自己負担は2500円です。(詳細はこちら)
成人は自費の接種になり税込み7,000円です。
帯状疱疹ワクチン
- 帯状疱疹は主に皮膚科領域の疾患で皮膚に帯状の皮疹を生じ痛みも伴う疾患です。神経節に潜伏している帯状疱疹ウイルスの再活性化によって発症すると考えられています。顔面、頸部、耳介、咽頭領域といった耳鼻咽喉科領域にも発症することもあります。特に耳介に発症する場合、顔面神経麻痺、難聴、めまいなどを伴うことがあり(Ramsay Hunt症候群)、咽頭に発症すると嚥下障害、声のかすれを伴うことがあります。症状が重度だと麻痺や難聴といった症状が残ることもあります。加齢とともに免疫力が低下してくると発症することがあるため、50歳以上の方にワクチンによる予防接種が認められています。またシングリックスについては帯状疱疹に罹患するリスクが高いと考えられる18歳以上の方にも適応症が追加されました。
ワクチンは下記の2種類で各々長所、短所があります。
- 乾燥弱毒生水痘ワクチン(生ワクチン)皮下注
予防効果は50-60%程度、持続期間は5年程度です。接種は1回のみで安価であるという利点があります。ステロイド等の免疫抑制剤などを使用している場合に接種は不可です。費用は税込み9,000円です。 - シングリックス(不活化ワクチン)筋注
予防効果は80-90%程度、持続期間は9年程度とされています。50歳以上は2回の接種(2~6カ月空けて)が必要です。免疫低下している方でも接種可能です。接種部位疼痛が比較的強く出ます。価格は高いですが効果も高いです。費用は税込み23,000円×2回分です。 帯状疱疹に罹患するリスクが高いと考えられる18歳以上の方にも接種可能になりました。(この場合接種間隔は1-2カ月空けて2回接種します)
- どちらのワクチンも2023年7月より50歳以上の武蔵野市民に対する接種に助成があります。詳細については武蔵野市の帯状疱疹ワクチン任意接種助成事業のページをご覧ください。(詳細はこちら)
助成対象者は生ワクチンの場合で自己負担額4,000円、生活保護受給者は無料、シングリックスの場合で自己負担額12,000円x2回、生活保護受給者は3,000円x2回です。
男性のHPVワクチン(任意接種)
- ヒトパピローマウイルス(HPV)は女性の子宮頸癌の発症因子として知られていますが、中咽頭癌、肛門癌、外陰癌、陰茎癌、尖圭コンジローマなどの発症原因のウイルスでもあります。耳鼻咽喉科領域ですと中咽頭癌のほかにも喉頭乳頭腫もHPVによって発症することがあります。HPVには200種類ぐらいの型がありますが、発癌リスクの高い16型、18型、喉頭乳頭腫や尖圭コンジローマを引き起こす6型、11型などが知られています。
- 令和6年度の小学6年から高校1年生の武蔵野市民の男子で4価ワクチン(ガーダシル)接種を希望する方には市からの助成があります。ガーダシルは上記のHPV6、11、16、18 型に対する4価ワクチンです。1回あたり2,500円(生活保護受給世帯は無料)で接種を受けられます。接種は3回行います。接種間隔は1回目から1カ月以上あけて2回目、2回目から3カ月以上あけて3回目を接種します。希望者はまず武蔵野市の健康課に申請してください。自費での接種の場合には1回あたり19,000円です。