補聴器診療について
聴こえが悪くなったらまず耳鼻咽喉科へ
- 聴こえが悪くなった時にそろそろ補聴器が要るかもと思われる方もいらっしゃることと思います。街のメガネ屋さん、補聴器販売店に行かれる方もおられるかもしれませんが、まずは耳鼻咽喉科で診てもらうことをお勧めします。
- 耳鼻咽喉科を受診する一番大きなメリットとしては難聴が単に加齢に伴うものなのか、治療すべき疾患や治療すればよくなる疾患があるかをきちんと見分けることにあります。確かに高齢者の難聴の多くは加齢そのものによる感音難聴が主体ですが、中耳に水が溜まっている滲出性中耳炎や耳垢のつまりによるものであればすぐに治療で改善できますし、真珠腫性中耳炎のように放っておくと進行する疾患や伝音難聴の一部では手術で改善する疾患もありますのでまずは耳鼻咽喉科を受診していただきたいと思います。
検査後に手続きが要ることもあります
- 受診の際には聴力検査や言葉の聞き取りの検査(後日検査となることもあります)を行い補聴器が必要な状態なのか、状況によっては身体障害者手帳の対象なのかを判断します。院長は身体障害者福祉法第15条指定医(聴覚・平衡・音声・言語)ですので該当する方に必要な「身体障害者診断書・意見書」を発行することは可能です。
- 聴力の障害者手帳を取得後に「補装具費支給意見書」という別の書類を作成して福祉対応の補聴器を手頃な価格で購入することが可能となります。この場合お住まいの市区町村での手続きも必要になりますので補聴器購入まで少し時間はかかります。
- このほか武蔵野市、三鷹市においては高齢者補聴器購入費用の補助制度があります。
聴覚障害者手帳の対象外ではあるが、一定基準の難聴で補聴器を検討されている方、年齢、所得要件を満たす方は市に申請して書類を提出いただければ医師意見書の記入は当院で承ります。
高齢者補聴器購入費用の補助(武蔵野市公式ホームページ)
補聴器購入費助成事業について(三鷹市公式ホームページ)
- 障害者手帳の対象ではないが、補聴器を購入したい場合で所得税を納めている方であれば補聴器の購入費用が医療費控除の対象となることがあります。連携する補聴器店と「補聴器適合に関する診療情報提供書(2018)」という書類のやり取りが必要になります。(書類記入に必要な検査を受けていただきます。また書類作成代がかかります)。
- また武蔵野市では18歳未満の中等度難聴児に対する補聴器購入助成の制度もあります。市のホームページに対象者となる方の情報がありますので、該当される方は補聴器購入前に市の障害者福祉課にご相談下さい。
聴力検査について
- 聴力はdB(デシベル)という単位で表記され、耳鼻咽喉科では低音(125Hz)から高音(8000Hz)までの聞こえ方を評価します。ざっくりと平均値をとって難聴を軽度から重度まで評価します。
- 軽度難聴 25 dB 以上 40dB 未満
- 中等度難聴 40 dB 以上 70dB 未満
- 高度難聴 70 dB 以上 90dB 未満
- 重度難聴 90 dB 以上
- といった具合です。通常の聴力検査に加えて言葉の聞き取りの検査を行うこともあります。
- 一般的には中等度から高度の難聴がある場合には補聴器をつけるメリットがあります。お仕事上しっかりと聞き取ることが必要な方ですと30dB程度の難聴でもつけられる方はおられますが、40~50dB程度の難聴でそろそろ補聴器を考えたいという方が多いようです。60dB以上ですと補聴器をした方がよいです。
- 言葉の聞き取りの検査では「あいうえお」などの言葉の聞き取り能力を様々な音の大きさで検査します。ピーとかジーという音は聞こえるが言葉が聞き取りにくくなっている方もおられるため併せて評価が必要になることがあります。中にはどれだけ音を大きくしても聞き取れない、耳だけでなく脳内での信号処理がうまく行ってない場合もあり、この場合どれだけ補聴器で大きな音を入れても聞き取りに限界があるということを理解していただくこともあります。
補聴器を試してみましょう
- 当院では補聴器メーカーの方と連携して補聴器の試聴、貸し出しは行っております。補聴器外来は火曜日の午後と木曜日の午前におこなっています。一定期間試聴した上で購入希望であればお買い求めいただいて、その後の定期的なチェックも行います。街の補聴器店での試聴、購入をお考えの場合には近隣の店舗であればご紹介いたしますし、必要なデータもお渡しできます。補聴器店にもいろいろありますが、選ぶ際には認定補聴器技能者という資格を持った方が在籍している認定補聴器専門店を選ぶことをお勧めします。
- 補聴器は買ってつければそれでよいというものではありません。最初から大きい音を入れると脳がまだ大きい音に慣れていなくてうるさく感じてしまうことが多いので控えめの音の大きさから始めていくことになります。最初はうるさいと感じることが多いですが、脳をトレーニングすると思ってなるべく長時間装用してください。目標としては一日10時間ぐらい装用してみてください。
- 段階的に音量を上げていき、数ヶ月から半年ぐらいをかけて充分聴こえる音量にしていきます。また年齢とともに少しずつ聴力は低下することもありますので、適宜音量の調節も必要になります。そのため耳鼻咽喉科や補聴器店での定期的な観察が必要な医療機器と言えます。
集音器とどう違うの?
- よく新聞広告で目にする集音器とどう違うのかという質問をいただきます。確かに広告を見るとお安い値段で買いやすいようにも見えます。簡単に違いを説明すると集音器は音全体を大きくしますので小さい音も大きくしますし、大きい音もより大きくします。大きい音になれば結構ではないかと思われるかもしれませんが、人間の耳は大きすぎる音に対しては不快に感じますし、特に難聴者は一定の大きさ以上の音をすごく不快に感じることが多いです。感音難聴の特徴として心地よく聞こえる音の大きさの幅が狭くなっているためです。
- このため集音器ですと大きい音が入ってきたときさらに増幅されると非常に不快な聴こえになります。また音が大きすぎるとかえって言葉の聞き取りの正解率も落ちる事が検査上よく見られますので音が大きければよいというわけでもありません。
- 一方補聴器は小さな音を大きくし、大きな音はそれほど大きくしないというような調整ができますし、高い音だけあるいは低い音だけ増幅するといった個人の聞こえ方に合わせた調整が可能です。難聴といっても一人一人聴こえ方のグラフは異なり、高い音が聞こえにくい人もいれば低い音が聞こえにくい人もいます。その人の聞こえにあった調整ができるというのが補聴器の大きな利点と言えます。
- 診療科目/
- 耳鼻咽喉科・小児耳鼻咽喉科・アレルギー科
- 最寄駅/
- JR中央線「武蔵境駅」北口徒歩1分
休診:水曜・日曜・祝日▲土曜:14:00~17:00
窓口受付時間:午前診察12:15まで 午後診察18:15まで(土曜16:45まで)
開扉は診療開始10分前です
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9:00~12:30 |
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