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難聴

難聴について

難聴は聴覚が低下した状態のことで、大きくは伝音難聴、感音難聴に分けられます。伝音難聴と感音難聴の両方を併せ持つ場合は、混合性難聴と呼ばれます。

伝音難聴

滲出性中耳炎

  • 鼓膜の内側の中耳に液体が貯留し、音の伝わりが悪くなっている状態です。多くは小児期にアデノイドという鼻の奥のリンパ組織が肥大して耳と鼻のつながりが悪くなることによって生じます。高齢者においても耳と鼻をつなぐ耳管の機能が低下して滲出性中耳炎になることがあります。高齢者においては上咽頭癌などの腫瘍性病変によって滲出性中耳炎をきたすこともあります。原因となる疾患がある場合にはその治療を行い、投薬でも改善しない場合には滲出液を除去するために鼓膜切開術を行います。切開しても再度浸出液が貯留するような場合には鼓膜に換気目的のチューブを留置します。

耳小骨奇形、耳小骨離断、耳硬化症

  • 耳小骨の奇形や離断があると鼓膜から内耳への音の伝わりが悪くなり、伝音性難聴をきたします。耳硬化症はアブミ骨という耳小骨の一部が硬くなって音をうまく伝えられなくなった状態ですが、これらの疾患の場合には手術で難聴を改善できる可能性があります。CTである程度判断がつくこともありますが、耳小骨は極めて小さいためCTでも異常がわからず、最終的には手術で実際に中耳を観察してその場で修復することもあります。顕微鏡あるいは内視鏡を使った手術が行われておりますが、高次医療機関へ紹介することになります。

真珠腫性中耳炎

  • 先天的なものと後天的なものがあります。先天的なものは上皮の一部が中耳にあり、中に上皮がたまっていくことにより真珠のような白色の塊を生じます。後天的なものでは鼓膜の一部が中耳側にへこんでポケット状になったところに上皮が堆積して、周囲の骨をゆっくりと破壊していきます。進行すると難聴、めまい、顔面神経麻痺をきたしえます。さらにひどくなると脳膿瘍などの重篤な合併症をきたすこともあります。外科的な治療が必要な疾患であり、定期的な通院が必要です。

感音難聴

突発性難聴

  • ある時、突然に耳が聞こえなくなる疾患で、感音難聴の部類に入ります(通常は片側)。突発性難聴の原因としては、ウイルス感染や血流不良など諸説が唱えられていますが、まだはっきりとはわかっておらず、急激に発症する感音難聴のうち、原因不明のものを突発性難聴と呼んでいます。治療は早ければ早いほど、聴力が回復する可能性が高くなるので、できるだけ早期に(発症後1週間以内)治療を開始することが大切です。
  • 突発性難聴については、いろいろな治療法が検討されていますが、基本的にはステロイド投与が有効とされています。軽度のものであれば外来での内服治療あるいは点滴での治療で対応されますが、難聴の程度が重度あるいは、めまいを伴う場合には入院治療が必要なこともあります。発症時の状況や臨床所見、既往歴などを総合的に判断し、治療法を決定していきます。

メニエール病(内リンパ水腫)

  • メニエール病は難聴、耳鳴、めまいの3つの症状を繰り返すのが典型的な例です。したがって初回の難聴、めまいではメニエール病の診断はされず、突発性難聴との区別が難しい場合もあります。低音域の難聴が主体ですが、症状が進むと中音域の難聴もみられることがあります。軽いものですと耳の閉塞感のみ症状として自覚される程度ですが、重度ですと回転性のめまいを伴います。一日のうちでも症状の変動がみられ、症状を繰り返しうることが特徴です。利尿剤の投与で改善しえますが、慢性的な経過をたどることもあります。規則正しい生活、ストレスの解消、睡眠を十分に取ることも必要です。

聴神経腫瘍

  • 難聴、耳鳴り、めまいなどをきたしうる疾患で主にバランスをつかさどる前庭神経から発生する良性腫瘍です。比較的まれな疾患ですが、感音性難聴の原因の一つです。小さいものであれば経過観察されることも多いですが、増大傾向があるような場合や大きい状態で発見された場合には手術が必要となることがあります。

外リンパ瘻

  • 内耳と中耳を隔てている膜に亀裂が入った状態で内耳のリンパ液が中耳に漏れることにより難聴、めまいをきたします。何かが破れたりはじけたような音がして、難聴やめまいを発症したというのが典型例です。難聴は進行性に悪化するため早急に亀裂を閉鎖する手術をすることが勧められます。
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